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レポート


「北中米W杯2026観戦記」小西のぼる

 

私は、グループステージ第2戦、対チュニジア戦を応援して来ました。
会場のモンテレイ市は人口600万人で首都に次ぐメキシコ第二の都市。
町並みはきれいで、治安も良く、
コンビニエンスストアやATMも適度にあって、トラブルなく過ごすことができました。
メキシコリーグに所属するCFモンテレイが本拠地としているエスタディオBBVAは、
地下鉄の駅から徒歩15分という好立地で、
試合終了した午前1時でも、地下鉄で問題なくホテルまで帰ることができました。

年々値上がりするW杯の旅費ですが、今回はとんでもない額になりました。
フライトは全日空のヒューストン経由で往復45万円、チケットは8万円(日韓大会の決勝戦並みの値段)、
ホテル一泊5万円とお財布に厳しい大会でした。

 モンテレイスタジアム

<レギュレーション>

ハイドレーションブレイクは以前からあったクーリングブレイクの名称変更に過ぎず、
宣伝費欲しさという指摘は当たらないと思います。
BGMに合わせてノリの良いメキシカン達がダンスしたりして、そういう楽しみ方もあるのかと。

興味深いのは、ボールパーソン。
小学生くらいの少女たちがピッチの周囲に居るには居るのですが、従来の役割とは全く違います。
選手にボールを渡したり、転がっているボールを回収したりすることはありません。
両タッチラインに5個ずつボール置き場があり(モンテレイではゴールライン沿いには置き場無し)、
スローインの際は選手がボール置き場から勝手に拾って投げます。
アウトになったボールはボールパーソンが回収しないので、跳ね返ってピッチ内に戻ってくることもあります。
鈴木彩艶が持ち場を離れてボールを蹴り出す、
なんてシーンも見られました(TVには映らなかったことと思います)。

 

<レフェリング>

試合数が増え、審判員も増えたせいでしょうか。
これまでの大会ではレフェリングの基準が均質だったのに比べ、今回はばらつきが見られたように思います。
また少しでもファウルを貰いに行こうとすると笛が吹かれません。
チュニジア戦80分の鈴木唯人は、貰いに行こうとしたのではなく、
ホールドを突破しようとタフにプレイしたように見えましたが。

 

No Foul ?

 


<JFA名誉総裁>

対チュニジア戦は夜10時開始でしたので、当日の日中は市内観光に費やしました。
中心部にある大聖堂でミサを見学した後、ふと振り返ると司祭たちが正装でずらっと並んでいます。
まもなく白バイに先導された車列がやってきて「どんなVIPだろう」と野次馬よろしく見ていますと、
高円宮妃殿下久子様でした。高円宮憲仁親王殿下が薨去されたあとを引継ぎ、
20年以上にわたり名誉総裁を務められている妃殿下の活動には、
私たちもスタジアムでしばしば目にするところで、とても有難いことだと思います。
モンテレイ大聖堂の訪問は宮内庁ウェブでも一切公表されておらず、
こうした地道な親善外交を垣間見ることが出来たのは幸運でした。
オランダ訪問中の天皇皇后両陛下がオランダ国王夫妻と一緒にTV観戦されたニュースにも、ほのぼのとさせられました。
W杯サッカーの持つ代えがたい影響力と言えるでしょう。

 

名誉総裁

 

<メキシコは親日家>

チュニジア戦をTV観戦された方はお気づきでしょう。
日本の応援が圧倒的で、完全ホームの雰囲気を作り上げてくれました。
多くのメキシコ人が日本のユニフォームを着て応援していました。
チュニジアからボールを奪い日本がカウンターを仕掛ける際のボルテージの上がり方は、Jリーグでは経験できないくらい。
上田綺世の1得点目は、声援が背中を押し、そのままボールに乗り移ったかのように感じられました。

メキシコではピカチュウが大人気。
たくさんの方たちから「一緒に写真を撮って」とリクエストを受けました。
W杯の記念硬貨をいただいたり、ビールをおごって貰ったり、
仮面レスラーのマスクを貰ったり、本当にいろいろな方たちから暖かいもてなしを受けました。

 

 

<世界基準の・・・>

「W杯で優勝するには世界基準の・・・・」という常套句。
スタメンが全員海外組というのも珍しくなくなりました。
果たしてサポーターはどうでしょうか。

ブラジル戦のスタジアムは黄色一色に見えました。
チュニジア戦とは真逆のアウェイ環境と比較すると、
後半のブラジルの戦い方、日本の守り方にサポーターの力が働いたのではないかとさえ思えます。

かくいう私も、トーナメントに勝ち進んだ日本チームを現地観戦したことがありません。
サラリーマンである私には、場所も日程も未定のトーナメントのために会社を休む、
あるいはリモートワークを申請する勇気がありません。
(私の勤務先は、完全フレックスでリモート可という恵まれた雇用体系であるにも関わらず。)

代表戦当日が国民の祝日となるラテンのブラジルだけでなく、
(日本人と同じように勤勉だと思い込んでいる)
ゲルマン民族のノルウェーの人たちがあれだけたくさんW杯に駆け付けるさまを見ると、
単に「日本人の働き方改革」では解決できないような気がします。
サポーターの世界基準とは何か、考えてみたいものです。

 

以上

 2026.8.18
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カタールW杯2022観戦記

小西のぼる

 

<対ドイツ戦勝利>

私がアラブ首長国連邦(UAE)のドバイに向けて成田空港から飛び立ったのは、11/23、22時。
そう、日本vsドイツ戦のキックオフと同時でした。
ライブで観られないのは仕方ないと観念していました。
ところが、エミレーツ航空ではBBC-TVの生放送を提供しているのです。
離陸して巡航高度に達したころ、ちょうどドイツが2点目を取ったところからライブ映像を見ることができました。
「前半で2点差か。」と半ば諦めかけましたが、VARで得点が取り消されたものの、半ばあきらめムード。
ところが後半になると日本チームのリズムががぜん良
くなります。
そして勝利の瞬間には、機内中から歓声と拍手が沸き起こりました。
就寝中の乗客がいるにも関わらず!私も隣のインド人とハイタッチ。
これもまた貴重な体験です。

ドバイに到着して、空港や地下鉄の車内で見知らぬ人々から次々に
「日本は、素晴らしい」「おめでとう」と声を掛けられました。
ドイツに勝利するという衝撃が世界中に与えたことを、肌身で実感することになりました。

日本代表が、ドイツやスペインから逆転勝ちをおさめるなんて、
やはりフットボールでは何でも有り得ると教えてくれた
8年前のドイツ人の言葉をあらためてかみしめています。
(このブログの
6ページ目あたり2014/07/30の私のW杯観戦記も、ご覧ください。)

 
スタジアム


<イスラムで開催する意義>

私はいつも、組み合わせ抽選後にチケットを購入しています。
前回まではこの方法でも、希望する試合が容易に購入できていました。
ところが今回は、チケット売り切れが続出。
ドイツ戦、スペイン戦が入手できず、コスタリカ戦のみとなってしまいました。
「どうしてそんなに人気なのだろう?」と訝しかったのですが、現地に行って納得できました。

出場国のサウジ、チュニジア、モロッコから大勢のサポーターが来ているのはもちろんのこと、
出場していない国々からも多くの人々が来ていました。

北アフリカから中近東、南アジア、東南アジア、これらの地域はすべてイスラムの地域です。
カタールでは、すべての地下鉄の駅に礼拝所が設けられています。
また、禁酒ですから、比較的治安も良い。
例えば、夜のファンフェスティバル会場

https://www.youtube.com/watch?v=URdV1kPn1CI#msdynttrid=pNk9w4tUXQf4ge5IrAk0137x6EYiXtbTaVXLiwWURJY )には多くの家族連れが訪れていました。
ベビーカーを押しながら家族団らんの場になっていたのも、酔っ払いにからまれることがないからでしょう。
そして、ハラル認証食品。ハラルとはイスラム教徒が守るべき生活全般の規則です。
非イスラム国でハラル認証の食事をするのは、相当苦労しますが、
カタールなら例えマクドナルドでもハラル認証食品を提供していますので、
イスラム教徒にとってはとても気安く旅行ができます。
経済発展著しいカタールは憧れの海外旅行先なのでしょう。

イスラム地域に「W杯」という商品を売り込むマーケティング戦略は、成功したと言えるのではないでしょうか。
サウジvsアルゼンチン、チュニジアvsフランス、モロッコvsベルギー、イランvsウェールズでの「番狂わせ」は、
ホームゲームの雰囲気を作り上げたイスラムサポータの力も大きかったと思います。


ケータリング 

<アジア>

日本を応援してくれる人たちと、たくさん写真を撮りました。
お国はどちらですか?と尋ねると、インド、ネパール、バングラディシュ、シリア、レバノン、台湾、などなど。

私が「どうして日本を応援するの?」と尋ねると、異口同音に「同じアジアじゃないか!」という答え。

ドイツに勝利した事も日本人気を後押ししたかも知れませんが、かの国の人たちから日本が慕われているのは嬉しい限り。
自国が出場していなくても、同じ地域の国を応援してくれるサポーターがたくさんいるのが、
W杯の魅力です。
しかし我が身を振り返って、恥ずかしながら中近東や南アジアの国々が
日本と同じアジアだ、という仲間意識は全く持っていませんでした。

 
人工芝を敷き詰めた


<禁酒>

大会スポンサーのバドワイザーは、当初スタジアム内でビールを販売するはずでした。
それが、大会二日前の土壇場でひっくり返りました。
舞台裏でどんな攻防があったか知る由もありませんが、
仕方なくノンアルコールビールを販売していました。損害賠償が気になるところ。
アルコールを飲まなくとも、テンションがアップするのが
W杯。
禁酒自体はそんなに苦になりませんでした。

最近(12月下旬)、近所のスーパーでバドワイザーのW杯仕様が安売りしているのを見かけました。
世界中で缶ビールが余っているのかも。


<ファンビレッジ>

これまでのどの大会でも、宿泊所(ホテル、民泊、アパートレンタル)のウェブ検索は容易でした。
しかし、今回はまったく見つけられませんでした。
FIFA のエージェンシーが全ての宿泊施設を押さえていたようです。
私は、そのエージェンシーを通じてFan Villageに二泊しました。
Fan Villageとは、皆さんもニュースでお馴染みの悪名高い「仮設プレハブ」です。
人工芝のようなシートが敷かれた砂漠に、約8千戸のプレハブが並ぶさまは壮観です。
駅から徒歩7分あまりで便利は良いです。

しかし突貫工事で作ったのがありありと判る代物。
シャワーは熱いお湯がでたので助かりましたが、お湯が出ない部屋もあったと聞きました。
冷房能力が無いという悪評も報道されましたが、幸い私の部屋については、
真昼間こそ冷房が効きませんが、夕方になれば一応快適に過ごせました。
 一方、シャワーやトイレから水漏れがあるし、洗面台の鏡は養生テープで貼り付けていますし、
配管工事の切り屑が散らかっていました。
トイレから漏れている水はどうやら上水だったようですので、
放置しておきましたが、もし下水だったなら不衛生極まりない。
トイレットペーパーが無く、往復
10分のカスタマーサービスまで取りに行きました。


洗面所配管


 仮設プレハブに隣接してディーゼル発電施設があります。
四六時中、低音のうなりをあげていましたし、ディーゼル臭が鼻につきます。
私の部屋は幸い発電施設から離れていましたが、近くの部屋の人たちは不快だったことと思います。
チェックインにかかる時間も相当なもの。
私は
40分程度の待ち時間で済みましたが、2時間以上待たされたと言う日本人もいました。
渡された鍵が間違っている日本人には、私が手助けして一緒にクレームつけることもありました。

スーパー
Fan Villageには、仮設のスーパーマーケット、バイキング形式の食堂、
ケータリング、礼拝所、仮設トイレが用意されています。
仮設トイレは、配管漏れのせいなのか床が水浸しで、これまた不快極まりないものでした。
このように宿泊施設は貧弱で、お金のないサポーターは冷遇されていました。

しかし、ファンビレッジは選手村ならぬサポーター村のようなものですので、サポーター同士の交流は楽しくできました。
また、宿泊者専用のパブリックビューイングは、ありがたい施設でした。
アラブ風の大きな座布団に寝そべって、試合を楽しむことができます。
ただ、日中は強烈な日差しなので、座布団を積み上げて日陰を作らなければなりませんでした。

 
パブリックビューイング


<あなたも
W杯へ>

すばらしい決勝戦を見て、早くも4年後が楽しみな今日この頃です。
ぜひ皆さんもTV観戦だけでなく現地で世界のフットボールファミリーと交流しませんか?

著者:小西のぼる氏は自室の鏡の前で
<小西氏自室の鏡の前で>>
 
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