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岡田正義 ワンポイントアドバイス


会員・審判員からの話題(岡田正義氏ワンポイントアドバイス)

岡田正義さんのワンポイント・アドバイス…①

 

 前後半開始のキックオフの時に、ストップウォッチのスタートボタンは、
どのタイミングで押していますか。
競技規則には、「ボールがけられて前方に移動したときインプレーとなる」
と書いてありますから、試合開始の笛を吹き、
ボールがけられてインプレーになった時に、スタートボタンを押している人もいるでしょう。

 しかし、それは非常に危険な状況になることが考えられます。
もし、ストップウォッチが正しく動かなかった場合はどうしますか。
時計をもう一度操作しなければなりませんから、その間はプレーを見ることができなくなるわけです。
このようなリスクを回避するためにも、キックオフ時はストップウォッチを先にスタートさせて、
正しく計測が始まったことを確認してから、試合開始の笛を吹くようにしましょう。
(『プレーオン』16号掲載)

 

岡田正義さんのワンポイント・アドバイス…②

 

 キックオフ、さあ試合が始まりました。
90分間通して試合をコントロールするためには、開始15分間の判定が重要になります。
開始早々の選手は、冷静さを欠いていることもありますし、
今日のレフェリーはどのような判定をするのかと、見ていることもあります。
そこで、始めから間違った判定をしていたら、最後まで選手から信頼してもらえないでしょう。

 まず、集中しなくてはならないのは最初に起きる反則、
ファーストファールを見逃さずに、的確に笛を吹くことです。
また、この時間帯のアドバンテージについても、よほどのチャンスにつながる場合を除いては、
ブレーを止めて選手コントロールを優先します。
この試合開始15分間に的確な判定を行い、選手から信頼を得ることができれば、
一試合を通してゲームコントロールが容易になるでしょう。
(『プレーオン』17号掲載)

 

岡田正義さんのワンポイント・アドバイス…③

 

 今回は、攻撃側のフリーキック、
特にペナルティーエリア近くのフリーキックのコントロールについてお話しします。

 反則がありフリーキックで再開する場合、
攻撃側は反則が起きた地点にボールが置かれていれば、いつでもキックを行うことができます。
しかし、守備側が近くにいる場合、攻撃側はすぐにはキックを行わないでしょう。
その場合、中途半端な合図で守備側を下げるのは危険です。
少し様子を見てクイックでのキックが行われないようであれば、
主審は明確な合図でプレーを止めて守備側を9.15m下げます。

 その手順ですが、
①ボールを反則が起きた地点に置く。
②守備側の競技者を9.15m下げる。
③主審は次に反則が起きそうな場所に位置した後に再開の合図をする。
この①②③をしっかり行えば、スムーズにフリーキックをコントロールができます。
(『プレーオン』18号掲載)

 

岡田正義さんのワンポイント・アドバイス…④

 

 主審は反則が起きそうな争点の近くに、ポジショニングすることが基本になります。
主審は、90分の試合で50km移動すると言われるボールと一緒に動くことは無理ですから、
プレーの展開を読み、早くリスタートすることによって争点の近くに移動します。

 しかし、プレーの邪魔にならない程度の距離を保つことも大事です。
試合のレブルによっても違いますが、具体的には10~15m程度の距離を保ちます。
また、プレーを見る角度も重要で、ボールを奪い合っている選手たちを串刺しにならないように、
横から見るポジショニングをとります。

 ここで一番大事なことは、主審は何のために走り、よいポジショニングをとるかということです。
走ることに集中して、判定が疎かになっては意味がありません。
走るのは正しい判定をするためだということを、もう一度考えましょう。
(『プレーオン』19号掲載)

 

岡田正義さんのワンポイント・アドバイス…⑤

 

 今回は、イメージトレーニングについてお話しします。

 イメージトレーニングとは、実際の身体行動を伴わずにイメージを用いて疑似体験し、
慣れを生じさせることにより、心理的な諸問題を克服することです。

 私は、イメージトレーニングを試合前日の就寝前や、試合直前に審判更衣室で行います。
方法は、目を閉じて腹式呼吸した後に、プレッシャーのかかるシーン、
例えば、大観衆のスタジアムのフィールドに立つ自分をイメージします。
そうすることにより、大観衆のプレッシャーの中での判定時にも平常心を保つことができます。
また、試合開始1分で退場に値する反則が起きたとしても、的確に対処することができます。

 イメージトレーニングは、フィジカルトレーニングと共に、
試合の準備に欠かすことのできない大事なものです。
(『プレーオン』20号掲載)

 

岡田正義さんのワンポイント・アドバイス…⑥

 

 広いフィールドの中、随所で起こる反則を見極めるには、主審一人では限界があります。

 そこで、主審と副審の協力が大切になってきます。
副審の協力をしっかり得るためには、試合前の打ち合わせをきちんと行わなければいけません。
皆さんの打ち合わせは、「いつもの通り」というようなセレモニーになっていませんか。
主審は副審にいつ、何を、どのような方法で援助してもらいたいのかを、具体的にお話ししてください。

 最近の試合では、守備側エリアからゴール前までの速攻がよく見られ、
主審が争点から離れてしまうこともあります。
その時こそ、副審の援助が必要になってきます。
副審の援助で、「決定的な得点の機会阻止」により、選手を退場にすることもあります。

 打ち合わせをしっかりと行い、主審と副審で意思の疎通ができていれば、
何が起きても正しい判定ができるでしょう。
(『プレーオン』21号掲載)

 

岡田正義さんのワンポイント・アドバイス…⑦

 

 競技者からの主審・副審への異議、それは大変大きな不正行為です。
競技者の異議にしっかり対処しないと、試合をコントロールできなくなってしまいます。
私たちがミスをした時、また正しい判定をしていても競技者は異議を示してくることがあります。

 異議への対応で大切なことは、「初期消火が大事」ということです。
火事でも、小火の時に対処しないと大きな火災になってしまいます。
小さな異議に対しては口頭による注意でしっかり対応し、
警告に値する異議を示したら躊躇なくイエローカードを示す。
そうすれば、競技者は試合に集中するようになり、異議を示してこなくなります。 

競技者はいかなる時も審判員に対して異議を示してはいけないということを、
しっかりとした態度で示しましょう。
初めに異議を示した競技者に、しっかり対応することが大切です。
(『プレーオン』22号掲載)

 

岡田正義さんのワンポイント・アドバイス…⑧

 

 今回はハンドリングについてです。

競技規則では、「ボールを意図的に手または腕で扱うこと」となっています。

 人間は、身体のバランスをとるために手、腕の動きが必要です。
身体の自然な動きの中で手にボールが当たったのであれば、反則になりません。
ボールが手に当たったのか、手をボールに当てたのかが問題です。

 ただ、気を付けなければいけないのは未質の故意です。
意図がなさそうに見せて、実はボールが来ることを予測して手を出し、
その結果、ボールに触れれば反則になります。
ハンドリングの反則は、ボールを手で扱おうとする意図があったかどうかで判断してください。
ボールが、その競技者の有利なところに落ちたかどうかは関係ありません。
競技者は、ボールが手や腕に触れればハンドリングの反則だと、思っています。
競技者の反応には躊躇せずに、自身を持って判定しましょう。
(『プレーオン』23号掲載)

 

岡田正義さんのワンポイント・アドバイス⑨

 

[ハンドリングによる懲戒罰]

 今回はハンドリングによる懲戒罰についてです。
試合中、ハンドリングの反則が起きると、
相手競技者は「警告ではないですか」と言ってくることがあります。
しかし、ハンドリングの反則に警告が必要なのは、
意図的かつ露骨にボールを手で扱って相手競技者がボールを受け取るのを阻止したとき、
手でボールを扱って得点しようとしたとき、チャンスを得ようとして主審を欺くように巧妙に手で扱ったときです。

  このように、ハンドリングの反則に警告が必要なのは、戦術的な要素が加わったときと考えてよいでしょう。
味方のパスがタッチラインを出そうなときに、そのボールを両手でキャッチしても警告は必要ありません。
反則したチームに戦術的な利益はないからです。

 また、意図的に手を使って相手チームの得点または決定的な得点の機会を阻止した場合は、
退場になることはご存じですね。
(『プレーオン』24号掲載)

 

岡田正義さんのワンポイント・アドバイス⑩

 

 今回はロスタイムについてお話します。
競技規則には、次のことで時間が空費された場合は時間を追加するとあります。
競技者の交代、競技者の負傷の程度の判断、
治療のための負傷した競技者のフィールドからの退出、時間の浪費、その他の理由です。

 具体的には、得点後の喜びやフリーキック時の壁のコントロールでなかなか再開されなかった場合も、
時間を追加するようにしてください。
皆さんはロスタイムの計測をどのように行っていますか。
皆さんの中には時計は止めずに、例えば交代は30秒、負傷した競技者の退出は1分というように、
事象ごとにアバウトに計測している方もいるでしょう。
私は時間が空費されていると思った時には、時計を止めて計測するようにしています。

 ロスタイムの計測には色々な方法があると思いますが、
試合中に空費された時間は必ず追加するように心掛けてください。
(『プレーオン』25号掲載)

 

岡田正義さんのワンポイント・アドバイス…⑪

 

[チャレンジ精神]

 Jリーグがスタートして17年目のシーズン、2009年5月9日、
大分トリニータ対横浜F・マリノスの試合で、私はJ1リーグ戦300試合の笛を吹くことができました。

 振り返ると、2005年9月の試合中に右膝半月板を損傷し2カ月休んだ以外、
割当をキャンセルしたことは一度もありませんでした。

 私の好きなことばに「現状維持をしようとしてはすでに後退している、
常に上を目指して努力して初めて現状維持ができる」というものがあります。
私は今でも常に一つ上を目指してチャレンジしています。

 今年から1級審判員の定年制がなくなり、この300試合もまだ通過点と考えています。
皆さんも、一試合一試合課題を持って、常にチャレンジ精神を忘れずに上を目指して頑張ってください。
(『プレーオン』26号掲載)

 

岡田正義さんのワンポイント・アドバイス…⑫

 

[強い気持ち]

 6年間にわたって連載してまいりましたワンポイントアドバイスも、最終回になりました。

 今回は、試合中に私が心掛けていることについてお話しします。

 選手、チーム役員、サポーター等は色々な場面で審判にプレッシャーをかけてくることがありますし、
後半ロスタイムに勝敗を決定するようなPKの判定を下さなければならないこともあります。

 審判はどのようなプレッシャーの中でも、冷静に公平に客観的な判定を下さなければなりません。
どのような重大な場面に遭遇しても、「反則をした選手が悪いんだ」と割切って判定することも大切です。
私は試合中、常に「強い気持ちを持つ」ということを心に念じて審判しています。

 長い間、ありがとうございました。
皆さんの益々のご活躍を期待します。
(『プレーオン』27号掲載)

 


 
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